希望は目に宿る
私、目を見て話すのが好きです。
そういう教育を受けてきたからかなーって思ってたけど、目は口ほどにものを言い、なんて言うように、瞳から感じるナニカってちょっとわくわくするからすきなんです。
私、絵が好きですって言ったけど、自分が書くなら、実を言うと人がいるのを描くのが好きです。人じゃなくても、動物だったりイルカだったりジンベイザメだったり、目を書きたいなーって思うんです。
目って、力があるなあって。
それも教育なのかなって思ったこともあるんです。
私が通っていたお絵かき教室の先生は、「人を描くなら目から描くんだよ」って言ってたから。
美大を目指していた近所のお兄ちゃんは、輪郭から書いていたような気もして、でも、私は『目から描く』って言葉が今でも耳に残ってるんです。
その先生が仕事なのか趣味なのか、描いていた、その頃の私よりも大きなキャンパスの花嫁さんの絵は今もよく覚えています。背景はライトグリーン、イエローと溶けあうパステル、その中央に横顔の花嫁さんが立っていて、伏せ目がちな伸びたまつ毛、けして大きく描かれたわけじゃないんだけど、私の目の高さより少し高い位置に描かれた瞳には幸福が宿っていたんです。
あ、希望じゃないね!笑
私、希望が瞳に宿る瞬間が好きです。
私、たまに勉強をお願いされて教えていたことがあるんです。
それも、受験生!
私、受験生に教えるってこれまた結構つらいんです。つらいっていうか、緊張しちゃうんです。
それも大学受験とかだと、もう、もう・・・
しょせん受験だって言うかもしれないけど、中学受験していい学校入って、さあ大学!ってなったときのプレッシャーって考えただけで憂鬱だし、そんな大事な時期に登場するのが私かい!!みたいな、もうなかなかつっこみどころで。
そりゃどこの大学行っても人生終わらないのはわかってるけど、例えるなら受験ってざっくりこれから旅する先の東西南北を決めるようなもんかなって。
だから、もし私みたく西洋画が見たい!って決まってるなら、西に行った方がいいんです。もっと行っちゃえば、西どころか西ヨーロッパに行った方がいいんです。
そりゃ、日本に居たって美術館はあるし、南の国に行ったって大富豪が残した美術館があるかもしれないし、西洋画をルーツにした文化と出会えるかもしれないけど、でも、自分の目的があるなら手っ取り早く、そこに向かった方がもっと発展性のある出会いがあるかもしれないから。
それに、私はどこで見えるかわからないけどオーロラが見たいな~って人がいたら、ちょっと調べればみられる場所なんて決まっているから、その方向を間違えちゃったら遠回りになっちゃって無駄足を食っちゃうかも。
無駄はないのが人生ってわかるけど、でもそれって本人が納得していたらの話で、その当事者でもない私がそんなある意味の人生のターニングポイントに立ちあうんだーって思うと、前に書いた友達の悩み相談と一緒で、「私でいいんかな~」って・・・・・・うーん、その人の前でその顔は出さないけど、実はとても悩むんだ。
何の話!
そう、希望の話。
受験生って一口に言っても出会うタイミングやらその人のシチュエーションが色々あって。
希望の話で言うなら、その人は有名な進学校の生徒さんでした。
でも、クラスは下位。
いわゆる高校にあがってついていけなくなって、というパターンでしょうか。
そういうつまずきってあるよなーって。
しかも、親が本気だった場合、なかなかそのプレッシャーつらいんだろうなーって。
ほんとに本人がつらくないならいいんだけど、会ったらわかる、この人は大丈夫なタイプじゃない。色が見えるよね、グレーなの。
なんとなく気落ちをしている時、世界がどうでもよく見える時、自分の居場所と自分とが降り混ざったグレーに見える。
あ、感覚ね!私、なんも見えないです。
ただ、さっきの話で言うなら、瞳がかがやいていない状態。
まあね、仕方ないよね。
私が会った時、テストを見せてもらったんだけど、30点で。200満点中。
・・・・・・100点にすると、15点か。秋口に。
そう、来年が試験だよ!あと数カ月!!
そらあー、ね。
「この子はできるのに、全然勉強やらなくて」
そう言う言葉って刺さるよなあ、心に。
親の期待って胸にくる。胸にもやがかったような、厚い雲に覆われた感じ。
投げやりになるか、無気力になるか、どうでもよくなるか、反発するか、怒るか。
昨日書いた無気力感の話。
自分じゃなんにもできない。どうにもできない。
そう、自分で思っている時、心は力をなくす。
力がなくなると、どうでもよくなって、そっからは人それぞれなんだろうけど、楽しくなくて。
その人が私と同じだったかわかんないけど、グレーの中にいるのはつらかった。
物差しで見ないでって思ってた。
いま、私はひょいひょいって自分の考えで動けるけど、学校の中に居る時は、否応なしに周囲と見比べて凹んで、親の声も先生の声も期待も全部応えたくて、でも答えられなくて、なんで答えられないんだろうって泣くこともあったなあって。
そうじゃない人もいるけど!笑
人それぞれだよね。
話を戻すと、その人は元気がなくって。
で、希望が宿る話。
その人の瞳にやる気が灯る瞬間、これだから、人に教える・・・・というとおこがましいけど、引き受けてよかったなあって思えるんです。
なんだろ、あったかくなるんだよね、あ、体感じゃなくて顔色?オーラ?オーラ見えないけど。笑
勉強って自分がするものじゃないですか。
だから、私にはその人に勉強をさせることは出来ないんです。
出来ないから、「君、できるよ!」って言うだけ。
200点中30点しか取れていない。
確かにこのままじゃ落ちる。
でも、別に全ての試験を満点を取らなくてもいい。
たった一回の試験に君のピークを持って行けばいい。
いま、30点しか取れなくても、別にだから、受験に落ちるって決まったわけじゃない。
これはこれ、これからはこれから。
さて、これから、君に残された時間と、君がやるべきことを整理しよう。
「受かると思う?」
それは私もわからない。
それはだれにもわからないんだよ。
先生に言われたこと、お母さんに言われたこと、それはそれだから。
それよりも、事実を見よう。
受験日まであと何日ある?
君が受ける試験はどんな問題が出る?
問題の傾向は・・・、そうだね、君が持ってる本を読めばわかるね。
で、制限時間は?そう、1時間ある。
じゃあ、全部で難問ある?
そう、だったら、1問あたり1分で解かないといけないね。
それを紙に書いて。
紙なら何でもいいけど、とにかく書いて。
じゃあ、これらの問題を解くために、どんなことを知っている必要があるかな?
そう、その知識は知らなきゃいけないね。
うん、その長文問題も必要だね。
「・・・こんなにやらなきゃいけない」
じゃあ、君が受かるにはだいたい何点必要かな?
みたいなことをしているうちに、希望が宿って来るんです。
あ、できるかも!!
って軽い気持ちで、目が輝くの。そして、目を見ると人ってわかるんだなーって思う。
たった一回点数取れればいいんだから、残り数カ月でも行けるよ!!
君がやれればね!!
私は何をやったらいいか、どう考えるかくらいは手伝えるけど・・・・・・実際やるかは君次第だから。
でも、やれたら点数取れるよ!みんな取ってきたからね!
てかこれまで~~~~をやってきてんだから、その力を勉強に向けるだけさ!ね!
とひたすら言い続けるの巻。
誰かが、大丈夫って言ってくれたら、大丈夫な気ぃしない?
私はめっちゃする人です。
ずっと、ずっと誰かに、みずきは大丈夫だよって言ってほしかったんです。
受験生の時、不安でいっぱいで。
淡々と状況を説明して、「うん、きっと大丈夫だよ」って言ってほしかった。
その安心感があったら、もっとがんばれたかなって思う。
前の就活相談の時もそうだけど、・・・なんか、私、過去の自分に言いたかったこと、誰かに言ってるんだなあー。
なんかちょっとじんわりきた。私、すごい!笑
まあ、でも、その人ね!受かったよ!
めっちゃ無茶なレベルの大学は無理だったけど、その手前くらいはね!いけたってさ!
よかったなー!あれは嬉しかった!!
受験生を教える?というか、なんだろ、励ます?ちょこっと教える?よくわかんないけど、お手伝いするのは緊張だけど、受かってくれるとひとしおだよねー!
ま、本人がすごいんだ!でも、目見たらわかるよ、そんな瞳の人、大丈夫に決まってるもの。
あー、だからね、ほんとは無気力って概念をなくすには一緒に希望という概念もない方がいいかもなんだけど、やっぱり瞳に宿るよね、希望!
ってな話!
そして、目が好きなんだ。つい見ちゃう、ふふふ!