旅行が楽しいのは自分で決める楽しみがあるから

一定のリズムで毎日過ごせることはしあわせなことだ。

慣れた調子で、とんとんと進む。

同じ毎日はないんだけど、効率的にどんどん進められる。

それは、しあわせなことだ。

でも、ふっと、予定を崩したくなるのかもしれない。

ふと怖い話を聞きたくなったりするのも、日常を揺らがせたいからかもしれない。

揺らぎは安定と反対で、それはほんの少しスパイシーでリスキーだ。

損得勘定で言えば、ムダになるかも。

損してしまうかも。

それは、今日という毎日をこのまま大事にしたい感情からは遠ざかる。

でも、このドキドキもまた面白い。

自分が決めた結果でどう変わるか、得られる結果が変わることが面白い。

気持ちいいだけなら、

楽をしたいだけなら、

おいしいだけなら、

綺麗なだけなら、

まどろむだけなら、

いまここにいる場所でもできるんだ。

安定は飽きる。

飽きることのできる毎日はとてもしあわせだ。

穏やかな時間は心地いい。

大胆に決めたくなると、私は旅に出るんだろうか。

どの服を着る、

どの服を持っていく、

何を置いていく、

何時に行く、

誰に乗る、

持てる体力と資金で今回はどうしたい、

何を見たい、

何を感じたい、

誰と行きたい、

誰に会いたい、

何を感じたい、

全て決めることが旅だ。

迷ったら帰ってこれなくすらある。

迷いは面倒だ。非効率的だ。

やめてしまいたい。なんでこんなことやってんだ。

あのままでいればよかった。やすんでおけばよかった。

ああ、来てよかった。

動いてよかった。

行きてるって楽しい。

帰って来れるってすごくしあわせ。

揺らいで、ひびを入れて、きらめきをとらえ、実感する。

自分のいた場所がいかに尊いか、自分の行かなかった場所がどれだけ素晴らしいかを、実感する。

自分で決めて実感する。

旅はそれを猛烈に突きつけられる瞬間でできている。

だから、行きたくなるのかな。

楽しいのかも、なんて思った！